講義の内容は、「AI を活用したセキュリティ対策」で、現在のサイバーセキュリティ対策における人手不足の原因、また、それを解決するために AI が活用できることを、弊社の AI 自律型セキュリティソリューションの事例を元に、オンラインまたは現地で参加したサイバーセキュリティに興味をもって取り組んでいる情報科学を学ぶ学生達に対し説明した。
今回教材として利用したソリューションは「 XCockpit Identity 」で、日本では今年 7 月にリリースされた。「 XCockpit Identity」は、アイデンティティ・リスク管理の課題と向き合う企業に対し、既存のアカウント権限の継続的な把握、ハッキングリスクの分析、対策の実施を支援し、Identity Attack Surface Management(IASM)の効率的な運用を実現するソリューションだ。CyCraft が独自に開発した AI アルゴリズムを使い、 オブジェクト間の関係性を自動分析し、複雑なアカウントと権限の設定を可視化、セキュリティ解説のために特別にチューニングされた言語生成 AI CyCraftGPT を使用して、日本語による詳細解説及び分析レポートを生成、提供する。(その他対応言語:英語、繁体字中国語)
講師として登壇したシニアセキュリティリサーチャーの村上は 10 年以上のフォレンジック調査の実務経験を持ち、現在は弊社に所属しインシデント対応を中心としたデジタル・フォレンジック調査とそれに伴うマルウェア解析などを担当する。
参加学生からは、「AI によるサイバー防御について背景から丁寧に説明いただき、実際に AI を用いたセキュリティソリューションを体験させていただいたことで理解が深まったと思います。特に学生にとっては、実際のソリューションを使用する機会は非常に貴重であり、今回のゼミを通して最新のセキュリティの一端を学べたことは、今後の研究活動などにおいても有益だと感じています。」など、事例を元にした AI を活用したセキュリティソリューションの説明は、参加者の理解をより一層深めたようだ。
渡邉英伸准教授コメント「今回の特別実習ゼミでは、セキュリティのプロフェッショナルから AI を活用した最新のセキュリティ対策について実践的な指導をいただき、学生たちは高度なサイバー防御技術を学ぶ貴重な機会となりました。AI の活用による最先端のサイバーセキュリティを体感できたことは、学生たちの今後の研究やキャリア形成に大きな刺激となったと確信しています。」
CyCraft はこれまでも学術機関との交流と協力を重視してきており、産業界の一員として、しばしば学校や学術機関を訪問し、産業界での経験を共有するだけでなく、日本、台湾を含む国内外の多くの学術機関や研究機関と共同研究を行い、産業界と学術界の技術的専門知識の融合、人材育成の支援を試みてきた。これからもこのような活動を続けるとともに、最新の脅威に対処できるソリューションの開発に尽力し、日本のユーザーが AI 技術でサイバーセキュリティを強化をしていけるよう支援していきたいと考えている。
CyCraft(サイクラフト)は、AIによる自動化技術を専門とするサイバーセキュリティ企業。2017年に設立され、台湾に本社、日本とシンガポールに海外拠点を持つ。アジア太平洋地域の政府機関、警察・防衛機関、銀行、ハイテク製造業にサービスを提供している。CyCraft の AI技術 と機械学習技術によるソリューションが評価され、CID グループ とテマセク・ホールディングス旗下のパビリオンキャピタルから強力なサポートを獲得し、また、国際的トップ研究機構である Gartner、 IDC、Frost & Sullivan などから複数の項目において評価を受けている他、国内外の著名な賞をいくつも受賞している。また、国内外を含む複数のセキュリティコミュニティ、カンファレンスに参画し、長年にわたりセキュリティ業界の発展に尽力している。